へにょろぐ

お利口じゃない理工系大学生のブログ

平成最後の夏、一泊3000円の超不衛生な宿に泊まった話

 宿に着いたのはおよそ9時30分だった。宿に着くのはいつでもいいと言われたのでそれに甘えた。薄暗い建物の中にいる60代過ぎくらいの老人がここのオーナーらしい。建物の中に入ると、彼は僕の大荷物を見て、よく来た大変そうだな何処から来たんだちょっと来るのが遅い等々声をかけられジュースをいただいた。数十分ほど世間話に付き合ったのち、眠くなったので部屋へ連れていってもらうことにした。

 

 どの部屋にも布団が敷いてあった、というより敷きっぱなしだった。 どの部屋でも良いと言われたので直感で選んだ2号室に入った。すると老人は「ここの部屋は今日掃除したばっかだべ」と言う。アタリの部屋を選んで良かったと一瞬思ってしまったが、え、もしかして毎日部屋を掃除していないということなのだろうか。そうでない、と信じることにした。

 

 部屋に入るとまずカビのような臭いが鼻をついた。荷物を下ろして床を見ると縮れた毛が落ちている。布団に目を遣ると何本かの多種多様な毛が散らばっていた。そしてその布団、よく見るといくつかの染みがある。目を凝らして見ると殿方の軍事演習の際の射出物に見えなくもない。絶対掃除してねえだろうが!

 

 ホームページによるとこの宿は送迎をしてくれるらしい。明日の朝は台風がやって来るのであまり自転車に乗りたくない。喜多方駅への送迎をお願いすることにした。老人の部屋をノックして入ると、パンツ一丁で熟女もののエロ本を傍に置いてNHKの天気予報を眺めていた。
「あの、明日台風が来るので喜多方へ送っていただきたいのですが」
「んあ?なんだっで?」
「明日喜多方駅まで送迎していただけますか」
「おめえ自転車があるでねーが、喜多方までなら行けんだろ?」
「いや、台風が来るとのことですし…」
この後も自転車は昨日見たぶんにはブレーキもちゃんと効いとるし動くんだから自力で行けとの一点張り。
なんだこのジジイ、ホームページと話が違えじゃねえか、てかおめえが面倒臭いだけだろこの野郎!

 

 廊下を歩くとあちこち散乱するゴミが目に行く。飲み干した酒の缶、使いきった100均の電池、寿司の入っていたプラ容器、ゴミ袋いっぱいに詰まったちり紙。もはや民宿というよりゴミ屋敷宿泊体験場である。

 

 その夜、宿のWi-Fiで「木造 家屋 倒壊」「喜多方 ハザードマップ」など調べつつ、布団に入った。どーでもいいけど、Wi-Fiの前にちゃんと掃除しろや。

 

 次の日の朝、予定通り5時30分に起床し脱出。もう起きていたジジイに声をかけて民宿を出発。台風の中自転車を漕ぎ、パンツまでびしょびしょに濡れながら喜多方駅へ到着した。

 

 その後も、荷物にカビ臭がこびりついてなかなか取れなかったり、もう一本貰っていたジュースの缶を拭くとえらくゴミがついていたり、例の民宿のダニに噛まれて右のふくらはぎが痒くなったりと散々であった。夕食のオプションを付けなかったのがせめてもの救いである。あとでレビューをネットで見ると星3.6/5。おいジジイ、自作自演するんじゃねえぞ!

 

 平成最後の夏と言うのに、こんな汚ねえゴミ旅館が残存しているなんて、怒りを通り越して感服してしまいそうになる。

 

最後に一言。

 

た●だや!!新元号発表される前に潰れてしまえ!!

 

 

 

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余談:次の日に泊まった宿、会津の里ユースホステルも3000円/一泊。だが、清潔で心地よく、近所の市営温泉(ガチのマジのローカル温泉なので客が超少ない)に入れて気分もリフレッシュできる。(宿泊料に温泉の利用料も入れてます)さらに酒屋さんが経営しているのでお酒も飲めて地酒のお土産も買えるという素晴らしい宿だった。貧乏人が会津に観光行く際はおすすめ。